派遣社員でも生涯自立して生きていく方法

派遣社員とは
時代の変化と共に、私たちの働き方もこれまでの枠にとらわれない自由な働き方が可能になりました。
今や、「派遣」という働き方は完全に定着しています。
自分の得意なスキルに特化した仕事に集中することができる反面、雇用に関しては「不安定」という声を聞きます。
しかし、これだけ女性の社会進出が進んでいて、労働問題にメスが入れられている今、「派遣」という働き方だけで自立することはできないのでしょうか。
今回は、派遣社員でも、生涯自立して生きていく方法をお伝えしたいと思います。
まず始めに、「派遣社員」の定義をおさらいしてみたいと思います。
派遣社員は、派遣先企業ではなく、人材派遣会社と雇用関係があります。
そのため、人材派遣会社で派遣社員として働いているということになるのです。
契約社員とはどう違う?
混同されやすいのが「契約社員」です。
契約社員は、人材派遣会社ではなく企業に直接雇用されています。
派遣社員は、給与・福利厚生・勤怠管理などは人材派遣会社がすべて行っていますが、契約社員は、直接企業が管理しています。
なぜ派遣社員が必要?
必要な時に即戦力となる人材が欲しいというのが、企業のニーズです。
いったん正社員として雇用すると、社会保険や福利厚生などの費用負担が大きいうえに、一度採用すると労働基準法の「解雇制限」により、簡単に解雇できません。
たとえば、製造業などは時期によって生産調整が必要なことがありますよね。
そんな時に派遣社員を活用することで、生産の増減に合わせた人員調整ができる、といったように、企業にとって組織の肥大化を防ぎながら効率よく経営していくためにも、派遣社員は必要不可欠になっているのです。
また女性の場合、育休後の時短勤務を希望する場合なども、対応してもらいやすいでしょうし、労働環境で万が一問題があれば、派遣会社が対応してくれるメリットがあると言えます。
派遣社員の月収と実情
派遣社員の強みは「即戦力になるスキル」にあります。
正社員などのように、幅広く業務をこなす必要がなく、得意なことを集中的にやれるので働きやすいと言えるのではないでしょうか。
ここからは、派遣社員が自立するための方法をご紹介したいと思いますが、その前に、派遣社員の一人暮らしの現状を簡単にみてみようと思います。
派遣社員の月収はどのくらい?
派遣社員は、ほとんどが時給制です。
大都市圏における、派遣社員の平均時給は、1、620円となっています。
同じく時給換算のパート・アルバイトが平均して1、012円ですから、高時給と言えます。
1日8時間、これを1ケ月(月20日)勤務したとすると、259、200円になります。
家賃や光熱費、食費などの最低限必要経費を差し引いたとしても、十分一人暮らしは可能です。
パート・アルバイトより有利
時給の高さから言っても、パート・アルバイトよりも有利だと言えるでしょう。
パートでもフルタイムで働けば、社会保険加入になり、手取りは減ります。
しかし、税金や社会保険料は一律で引かれるわけではありませんし、職種によって時給も変わるので、一概には言えませんが、それでも派遣社員は、パート・アルバイト勤めより有利だと思います。
正社員より不利って本当?
確かに、一般的に正社員の場合、福利厚生・退職金・各種手当や賞与といったものがあるので、金銭的な面でのメリットはないかもしれません。
しかし、超優良といわれるような企業でも倒産の危機に晒され、給与や人員の削減、賞与カットなどの実情を見ていると、正社員でいることが誰にとっても魅力的かというと、なかなかそうも言えないのではないでしょうか。
日本経済の影の立役者である多くの中小企業でも、賞与や退職金はない、という企業も少なくありません。
したがって、正社員より不利であると断言することは、できないのではないでしょうか。
派遣社員として自立して生きていくには
では本題に入ることにしましょう。
派遣社員として生涯自立して生きていく方法ですが、まず基本的に「派遣切りに合わない」ようにすることです。
切られてしまったら、また一から仕事を探さなくてはなりません。
スキルに磨きをかけ、きちんと業務をこなすことを心がけましょう。
コミュニケーションをしっかり取る
派遣先の会社では、普段からコミュニケーションを取って人間関係を作っておくと良いでしょう。
普段からコミュニケーションを取っておくことで、日々の業務を円滑に進めることができますし、働きやすい環境づくりにも繋がります。
派遣だからと遠慮せず、どんどん積極的に働きかけましょう。
会社の一員である自覚を持つ
追加の業務を依頼された場合、「契約以外の仕事は、派遣会社に聞いてからにして下さい。」という人が、実際にいるのだそうです。
「あくまでも契約以外の仕事はしませんよ」という態度でいると、派遣先の企業からの信用を損ない、契約を打ち切られる、なんていうこともあります。
「何かお手伝いしましょうか?」
と言えるくらいの余裕を持ちたいものですね。
自分がやれることを率先してやれば、「一緒に仕事がしたい人」と思われ、いずれ社員として直接雇用の声が掛かる可能性も出てきます。
スキルを磨く努力をする
少しでも業務の幅が広がるようにスキルを磨く努力をしましょう。
資格を取るのを目標にしてもいいですね。
そのためにも、時間を有効的に使い、スキルアップにつなげましょう。
「エクセルの関数のことなら私に任せて下さい! 」
とか
「売れるHPの作り方知ってます! 」
など、何か特化したものを持っていると会社からも必要な人材として評価されるはずです。
副業をする
収入の面で不安があるのであれば、副業をする手もあります。
副業を許可する会社も増えてきているとはいえ、実際に副業には消極的な企業もまだたくさんあります。
正社員の場合、会社の許可が下りていなければ副業はできないわけですが、派遣の場合はそのような縛りもないので、比較的自由に副業に取り組むことができます。
また、万が一派遣切りにあったとしても(ないことを祈りますが・・・)副業からの収入があれば心強いでしょう。
仕事の延長線上ですぐに実益につながるものでも、趣味でやっているもので楽しみながらやれるものでも、やってみたいことがあればぜひやってみましょう。
自立を成功させるポイント
派遣で一人暮らしをすることは、可能だということはわかりましたが、余裕があるかというとなかなか難しいのが現実です。
収入と支出のバランスを崩してしまうと、自立への道も困難なものになってしまいます。
最後に、自立を成功させるためのポイントを押さえておきたいと思います。
収入と支出をしっかり把握する
毎月の収入は、「時給×労働時間×勤務日数」で計算されます。
そこから、税金や社会保険などが引かれた額が「手取り」となります。
家賃などの固定費はほぼ変わることがないので、固定費を引いた金額がいくらくらいになるのか把握しておくと、自由に動かせるお金の中で節約できるところは節約しようという意識が生まれるので、一度書きだしてみて下さい。
無駄な支出は控える
もし交通費が出ないのであれば、思い切って勤務先の近くに引っ越すとか、乗り換えを少なくするなど、勤務先と自宅の距離のバランスを考えましょう。
時給が高くても、交通費だけで1~2万円も自腹になってしまっては勿体ないですよね?
また、できるだけコンビニは使わない、格安通信ができるスマホを使う、など徹底的に探してみると削れるものはかなりあると思います。
少しの額でも、毎日のことなので無駄は作らないようにしましょう。
万が一の出費も考える
たとえば、結婚や出産祝い、家電の故障など予定外の出費も考えられます。
お祝い事などはできるだけ、ケチりたくないですよね?
そんな時困らないよう、必要経費として毎月できる金額で積み立てておくといいですね。
まとめ
派遣社員でも、物理的に自立することは可能です。
あとは収入と支出のバランスを見ながら、計画を持って使うことが大切です。
そして、真面目に仕事に取組みスキルを磨く努力を惜しまなければ、契約更新時に給与アップの交渉をしたり、好条件の仕事を紹介してもらえるなど、収入アップの道が開けてきます。
計画性を忘れなければ、自立生活を楽しむことも夢ではありませんよ。

佐倉ゆき

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