「実家住まい=自立していない」を逆転するために知るべきこと

実家暮らしの最大のメリットは大幅なコスト削減ができる
自立した女性といえば、経済的にも精神的にも自立しているのが基本概念です。
年齢的にも大人で仕事を持ち、経済力もある女性が、「実家暮らし」と聞くと、途端に自立したイメージが崩れるのではないでしょうか。
女性が自立するというのは、一人で生活していける仕事、経済力をもち、一人で生活を楽しめる精神力が必要です。
そのためには一人暮らしが必須ですが、多様性を受け入れる近年において、一概に「実家暮らし」=「自立していない」と語ってよいのでしょうか。
ここでは実家住まいと女性の自立について考えていきます。
都心に実家があるため、通勤にも不便はなく、自室もあるのでプライバシーも保護されている、もしそうであれば、特に実家を出る理由はないと、実家暮らしを続けている人も多いのではないでしょうか。
一人暮らしをすれば、毎月家賃、光熱費、通信費、交際費、おしゃれ費、医療費などのコストがかかります。
全国平均でみると、一ヶ月にかかる経費の大凡は次の通りになります。
全国平均総計:140,000円
- 家賃 66,000円 管理費・駐車場代は含まず
- 光熱費 7,000円 電気料金+ガス料金
- 水道料金 3,000円
- 食費 20,000円
- 通信費 11,000円 携帯電話、インターネット通信料など
- 交際費 10,000円
- 雑費 23,000円 おしゃれ費、保険料、医療費、日用品費など
この金額が収入の中から否応なく毎月出費しなければいけないと考えると、一人暮らしをするのに二の足を踏んでしまうのも仕方がないかもしれません。
また、一人暮らしをしようと思うと、上記のコストに加え、部屋を借りる上での敷金や礼金などの初期費用がプラスされるのです。
これらの総額を支払い、継続して生活を維持できる経済力が必要になりますし、日々の生活費だけでなく、何かあったときの余剰資金も常に確保する必要があるのです。
一方、実家暮らしの場合は、この総額コストから家賃や光熱費など、半分以上の生活経費が、そっくりそのまま自分のためだけに使える金額になるのです。
これは大きなメリットではあります。
実家暮らしの最大のデメリットは世間体が悪いこと
では反対に実家暮らしのデメリットとは何でしょう。
- 自由度が少ない
- 恋人や友人を家に呼べない
- 自立していないと思われる
- 経済観念が身に付かない
いい年の大人が親と一緒に暮らすデメリットを挙げてみましたが、よく考えると実質的なデメリットというのは特にないようです。
自由度が少なくなるというのは、親と一緒に暮らしているのですから、どうしても親の目を気にする必要があります。
たとえば、一日中テレビを見てゴロゴロする娘の姿をみて、親はどう思うか。
誰にも迷惑を掛けていないとはいえ、親の心情を考えると完全に自由気ままに振る舞うことはできないかもしれません。
また、食事の時間やお風呂など、スペースを共有する場合は、生活習慣を合わせる必要も出てきますし、帰宅時間なども親が干渉してくる場合もあります。
恋人が出来た場合でも、実家暮らしは不利になることが多いようです。
家に恋人を呼べないということだけでなく、実家暮らしの女性は、生活するための家事能力や、経済観念が低いと思われがち。
実際に家事は親が全部やり、光熱費、食費、家賃などのコストが1ヶ月どれくらいかかるか、自分の財布が痛まないのであれば、実質的には親に養ってもらっていると言っても過言ではありませんよね。
そのかわり、お化粧や洋服、習い事など、好きなことをできる余裕ができる。
それらは自分のお金で出費していたとしても、一人暮らしで四苦八苦している人たちから見たら、あまり良い印象は持ちませんよね。
もしあなたに意中の男性がいて、その彼が実家暮らしだと分かった場合、引きませんか?
男性の場合は特に、実家暮らしだとどうしても、家事は親任せ、経済観念はない、挙げ句の果てはマザコンじゃないかと疑いの目が向けられることも。
女性の実家暮らしはそこまでではないですが、自立からはかけ離れたイメージを持つものです。
そのため、自立した男性から見ると、そんな女性とお付き合いして、生活を共にする結婚は考えられないという意見があることも少なくありません。
ただ昨今は、非正規雇用などで、収入はあっても安定した収入が将来的にも維持できるかは、不透明で保障がありません。
そのため、将来的な貯金のために、どうしようもなく実家暮らしという理由であったり、また、親の高齢化に伴い、介護のために実家暮らしをしているなど、実家暮らしをするための、どうしようもない理由がある場合も多くあります。
実家暮らしでも自立できる方法
実際は家事や経済を全て自分が背負って生計を立てている場合もあり、一概に実家暮らしが悪いとは言い切れないこともあります。
こう考えていくと、実家暮らし=自立していない、というのは、単なる他人から見えるイメージに過ぎないのではないでしょうか。
言い換えれば、本人次第であって、周りからどう見られるかを重視するかどうかということかもしれません。
人間は一人で生まれ一人で死んでいきます。
生きている間は、どこに住み、どう過ごしたって本来は個人の自由です。
親と一緒に住んでいるといっても、親は先に老いて先に死んでいきます。
その後どうしたって一人になるのですから、人生の一時を誰と生きたいか、どうお金を使うのか。
自立した考えをもって、家族のお金をマネージしていこうと発想を変えてみることも可能です。
実家暮らしは生活資金を経営資金と発想すべし
本来、自立していれば、自分が支払うべき家賃、光熱費、食費などが実家暮らしの場合、余剰資金になります。
そのお金を自分のためだけに使うのではなく、実家のメンテナンスや、将来的なバリアフリーへのリフォーム、家族旅行、貯金、投資などの資金として運用するというのはどうでしょう。
親に収入がある場合なども、その一部を運用資金として、プールしてみましょう。
それらの資金を言うなれば会社の経営資金と考えるのです。
自分のお金を、自分も含め家族の為に使う生きた資金として、コントロールしてみるとお金の使い方が変わってくるのではないでしょうか。
生活資金を運用し利益をあげるための技術
私は、一人暮らしを始めたのが早かったので慣れていましたが、遅めだった友人は、生活にかかるコストが高いと驚いていました。
実家暮らしは、家賃や食費、光熱費など、基本的な生活をするためにかかる金額に確実に疎くなります。
住むところや食べるもの、電気や水道などのライフラインは常に確保できている状況なので、無駄遣いをしても生活に影響がなく死活問題にはならないのです。
そういう生活を長く続けていると、自立したときに、いつの間にか貯蓄を食いつぶしていることに気がつくのです。
そうならないために、実家に住みながら経済観念を身につけていくためには、家族を会社組織と見立て、あなたは社長兼経理として全体の収支をコントロールし、増やす役割を担うというのはどうでしょうか。
家族のお金を会社の資金と捉え、収支をコントロールしながら、生きたお金の使いかたを独自に考えてみるのです。
経理の経験がなくても、今は経費精算のためのアプリなどを使用すれば、収支が一目瞭然になります。
ここでは、家族の経費節約ということだけではなく、家族の資産をいかに活かし、増やしていくことも考えてみるのです。
会社経営のためには、設備投資や運転資金、貯蓄や保険、投資など、収支のバランスを取るだけでなく、利益を上げていくことが必要です。
あなたが、経済的に自立しているのなら、あなたと家族の資金を元手に財産を増やすこと、生きたお金の使いかたを考えた方が生産的ではないでしょうか。
経理の知識は何も会社で使うだけでなく、家庭でも経営でもお金の収支はついて回ります。
たとえば簿記の資格を取って、生活費をマネージし、ゆくゆくは、起業して会社の経営まで担っていくという、ちょっと大それたことも可能ではないでしょうか。
まとめ:実家暮らしでも生きたお金の使い方で自立の予行演習を!
生きたお金の使いかたを覚えると、それは必ず仕事にも、人生にも生きてきます。
節約して貯金するのではなく、どのように運用して安全に増やしていくか。
起業する前の予行演習として実家の資産を増やしてみてはいかがでしょうか。
そうすると、自信が生まれ、起業するためのアイディアや知識になっていきます。
日本人は世界一貯蓄額の高い国民だと言われています。
何かのとき困らないように、余剰資金を貯蓄していくことも必要ですが、人生は1回きりですので、楽しむために使いながら、生活に困らないように増やしていくことができればベストですよね。
自分だけでなく、親を含めた周りの人たちにも、幸せを分けてあげるようなお金の使い方が学べるのは、もしかすると実家暮らしの醍醐味かもしれませんね。

佐倉ゆき

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