経済的自立を考えるときにしてはいけないこと

橋本 明子@自立18公式ライターです。
 


 

女性も経済的自立をすべき! という声高な文言をみると、当然だという思いと反面、何か解せないものを感じることがあります。

そもそも誰に対する言葉なのか?

筆者は41歳で結婚するまで、日系や外資系企業などで働いてきました。

結婚して44歳で出産してからは、パートで夫の扶養範囲内で仕事をしており、大幅に収入が減りました。

独身時代、仕事での自己実現を目指している時代は、経済的自立をしていれば結婚する必要なんてある?と思っていたことも確かです。

しかし現在、働く母親として女性の経済的自立を声高に叫ぶことに、多少の違和感を感じています。
 

経済的自立が自由を確保するための手段

ハートと本
 

ここでは、女性の経済的自立を考えるときにやってはいけないことについて、筆者の経験から考えていきたいと思います。

結婚に憧れることなく40歳を超してからも、特に結婚や出産を意識することなくきた筆者は、そもそも女性の経済的自立という観念で仕事を考えたことがありませんでした。

恵まれた環境で仕事をしてきた影響が大きかったのもありますが、仕事に意欲を持っていた若い時期を過ぎ、40歳を超すと、キャリアをどうするかということより、そこに仕事があるから仕事をするという感覚で漫然と過ごしてきた感じがします。

仕事で生きるというよりも、生きるために仕事をしているんだなあ、と漠然と思うときがありました。

仕事をすればお金が入り、自由にお金が使え、自由に行きたい場所に行ける生活を続けていると、ふと、なんでも手に入る「自由」に飽き飽きすることがあるのです。

特に不満もなく、だからと言って満足することもなく、周りに友達も多かったので寂しくもなく、人生は淡々と続くのですが、そんな自由な人生に「飽きた」のだと思います。

そんな時に、夫と出会い、勢いで結婚。その後、出産しました。
 

ワーキングマザーは経済的自立をすべき?


 

子供を持つと、まず当然のようにあった「自由」がなくなりました。

夫が生活全般の経済を支えてくれましたが、生活にかかるお金や、子供の将来への貯金などに充てると以前のように自由に使えるお金は本当に少なくなりました。

実際、長年続けてきた生活レベルを落とさねば、という自覚がなく、今の経済力に合った生活ができなくて破綻するのではないかと思うレベルにまでいって初めて節約を自覚するようになった次第です。

そんなこともあり、女性も経済的自立を、と考える必要性は身にしみて分かっているつもりです。

しかし、子供が5歳になった現在、本当に経済的自立がそんなに必要か? と思うようになったのです。

昨今は結婚しても、子供がいても、共働き夫婦が主流です。

筆者もパートをしながら、子供を幼稚園に送り迎えをする生活を送っています。

以前の仕事は外資系企業で、社内でも子供のいる女性社員は多く、子供の小さい間は時短勤務で毎日出勤していました。

筆者の場合は、自宅が会社から遠く時短勤務も考えましたが、産後1年で、1時間以上かけて出勤する体力もなく育児休暇取得後、退職してしまいました。

退職したからと言って以前の会社を辞めるだけで、仕事自体を辞めてしまう選択は全くなく、保育園を探し、パートで仕事を探し始めました。
 

小さな子供がいると就活では不利に


 

そこで、小さな子供がいる女性にとってパートでも仕事を探す難しさを感じました。

子供がいるという前提で面接に行っても、「子供が病気の場合、どうしますか?」「近くに子供が病気の時に世話をしてくれるご両親はいますか?」「病児保育の施設は近くにありますか?」

面接中の筆者に対する質問は、ほとんどは仕事の話ではなく、子供が風邪などの病気になった場合のことでした。

最初から子供が病気の時は、自分か夫が面倒みると決めていましたので、病児保育に預けるつもりはないと答えると、ほとんどの場合は採用は見送られました。

雇用主側に立ってみると、度々休まれるパートは使いものにならない気持ちも分かりますので、想定内ではありました。

それでもなんとか休みの融通が効く仕事を探し順調に今まで仕事をしてきましたが、パートでの収入は経済的自立に遥かに届きません。

それでも家計の足しだったり、子供の将来のために働いて得る収入には、独身の頃の自分のためだけに使う収入とは、全く違う意味をもつ糧になることに気づきました。
 

誰かのために働く生き方

現在の筆者の収入だけで、自分自身が経済的に自立できるかということを考えると明らかにノーです。

一方で子供を持ち、フルタイムで働き、ヘトヘトになりながら生活している友人もいます。

収入だけみると、かろうじて経済的自立ができる金額分働いているとはいえ、その分子供とのコミュニケーションを犠牲にしていることは確かです。

経済的自立を確立するのか、専業主婦のように子供との時間を最優先するのか、もし女性が子供を生んだ場合、このような愚問で色々考えを張り巡らせるのは時間の無駄のような気がします。

人それぞれですが、自分自身のために働くことと、家事を含め誰かのために働くこと、これは同じ働くことでも似ていて完全に違うもののような気がします。

独身時代は経済的自立が出来ていて、現在主婦で子供がいて働けないから経済的自立ができていない、とひとくくりにするのは違和感があります。

人生の色々な局面において、出産育児だけでなく、病気や親の介護など、自分自身の収入だけで、経済的自立ができない人は多くいるのではないでしょうか。

経済的自立というのは、金額の大小ではない気がします。

生きるためにはどうしてもお金が必要です。

そのお金を自分自身で稼ぐだけが自立なら、経済的自立と精神的な自立とはかけ離れていくような気がするのは筆者だけでしょうか。
 

女性に経済的自立を叫ぶのではなく、社会的な仕組みを変えるべき

経済的自立というのは、れっきとした大人の女性に声高に叫ぶものではない気がします。

現代は、おそらく多くの女性が学校を卒業し、どこかに就職してから人生を歩んでいきます。

その間に結婚したり出産したり、病気になったり、親を介護したり、色々な人生の局面が襲ってくるとき、その人生に軌道修正せざるを得ないのが女性なのです。

仕事をしない、または出来ない女性が経済的自立を!
とするのではなくて、人生での軌道修正をする際に、仕事の復帰を諦めたり、また、一時的に仕事を辞め、降り掛かってきた問題に集中できる時間や支援を与えるような社会的な仕組みの方が必要な気がするのですが。

何も社会で有益になるためだけに生まれてきた訳ではありません。

経済というのは人の人生と切っても切り離せないものです。

特に子供がいる女性の場合、独身時代よりもお金にシビアになり、自分一人のためよりも、お金を稼ぐことについて頑張るような気がします。

子持ちで働く収入が自立するにはほど遠くても、経済的自立はできなくても、生きていくためのスキルやキャリアは格段に上がっているように思います。

女性が経済的自立を考えるときに、経済的自立に必要な金額如何について、事細かに考える必要はない気がします。

もちろん高収入が得られるスキルやキャリアを作ることは、自立に繋がる最速方法ではあるものの、お金に換算できない時間や経験を積むことで、人として生き抜くキャリアを積む方法もあるのです。

現在子育て真っ最中の方は、今は短い子供との時間を大事にしても何も問題ないと焦らないことが必要な気がします。

キャリアは取り戻したり、新たに積み重ねることはできますが、子供との時間や介護など、親との時間は取り戻すことができないのです。

経済的自立を叫ぶ前に、年齢に関係なくキャリアを積める社会的な仕組みを少し変えたり、もう少し生き急がない方法を、あえて選択することも必要かもしれません。
 

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橋本 明子

橋本 明子

外資系企業から会計事務所を経て、現在、子育てをしながら、フリーで女性の自立を支援。フリーライターとしても活動中。