独身でいることがコンプレックスにならない理由

結婚は人生を豊かに幸せに歩むための「絶対必要条件」??

30代に入ると、周りが次々と結婚していく・・・取り残されたような焦った気持ちになる人も多いかもしれません。

また、親から結婚を勧められる、周りの人から「結婚はまだ?」などと、直接聞かれることも増えてくるのではないでしょうか。

昔は「女の賞味期限はクリスマスイブまで(24歳)」など、失礼極まりない言葉もあったものですが、晩婚化が進んだ昨今、24歳で結婚すると「早すぎる」と思う人も少なくありません。

そもそも、結婚するかしないかで、他人がどうこう言う世の中もどうかと思いますが、どうもまだ、多くの人は「結婚=幸せ」という単純な思考に囚われすぎているような気がします。ここでは独身でいることがコンプレックスだと思っている人に向けて、結婚の社会的地位について書いてみたいと思います。

3組に1組は離婚しています

私たちは、何のために結婚するのか考えてみましょう。

かつては結婚して家庭を築くことが「女性の幸せ」だった時代がありました。しかし、1985年の男女雇用機会均等法が成立して以降、女性の高学歴化に伴い社会進出が進み結婚、仕事と自由に選ぶことができる時代に変わってきました。

結婚適齢期と言われる年齢も、厚生労働省の「人口動態統計」の女性の平均初婚年齢をみると、1985年は25.5歳だったが、2020年は30歳前後。晩婚化が加速しているのがよくわかります。またそれと同時に離婚率も増えてきました。

29年12月に厚生労働省が発表した「人口動態統計」によると、婚姻件数60万に対して離婚件数が21万件ということで、3人に1人の割合で離婚しているということになりました。私のように30代後半の年齢からみる身近な離婚率についても、ほぼ統計どおりで、離婚は決して珍しいことではなくなっています。

年齢層によっては離婚率も左右しますので、実質な離婚が増えているかどうかは一概には言えませんが、特に離婚しやすい年齢層は30〜35歳だとか。

現在の初婚年齢とほぼ合致するところが、面白いところです。おそらく、一度結婚してみたものの、それほど年月経たずに離婚した方が多いということではないでしょうか。

結婚適齢期は仕事が面白い時期に重なる

私自身もそうでしたが、仕事も結婚も自由に選べる時代に生きていると「いつかは結婚するでしょう」と思いながら年月を重ねてしまった人が多いのではないでしょうか。

「将来的には結婚したいけれど、いつでもいい」などと、決して結婚に対して否定的ではなく、いつかはできるだろうと、鷹揚に構えているうちに、周りが結婚し始め、それにつられて、「結婚しなくては! 」と焦る図式に陥るように思います。

日本でも、多種多様な生き方を共有できる世の中にありながら、未だに周りが結婚するから、、、という理由で、独身でいることにコンプレックスを感じてしまうなんてナンセンスではないでしょうか。

現在の適齢期と言われる30代は、男女問わず特に仕事が面白くなってくる時期になります。仕事での責任も増えますが、手応えも感じたり、スキルアップすることに余念がなく、その一方で、お金も自分の自由に使えるため、行きたいところに行き、やりたいことを自由にやることができる年代です。

そんな楽しい時期に、結婚を選択するメリット、デメリットはどこにあるのでしょうか。結婚したからといって家庭に入るか仕事を取るかという選択をする必要はありません。

共働きが当たり前の時代の中で、結婚がどのような影響を及ぼすか、それは昔に比べれば多くはないのかもしれません。

好きな人と同じ家に住み、お互い独身時代と同様働けば、ダブルインカムで収入には余裕がある。家事をする時間がないなら、家事代行に依頼するなど、アウトソーシングが可能です。

結婚だけするなら、はっきり言うとそれほど独身時代の生活とさほど変わらず、メリットもデメリットもないかもしれません。

確かに年末年始に相手の家族との付き合いが増えたり、冠婚葬祭が面倒くさいなど、イレギュラーなイベントは増加する可能性はありますが、30代であれば介護のために親と同居するなどはまだ早いですし、日常生活に支障をきたすほどに、あなたの自由を遮るものは多くはありません。

ではなぜ独身を続けているのか?

まず良く言われているのは、男性側の収入が低く、結婚に踏み切れないというもの。

本来は男女問わず仕事をしているのであれば、お互いの収入を合わせて生活できればそれでいいかもしれません。しかし、結婚する前に経済的なことを考えてしまう。

それはなぜか、日本では仕事を持つ女性側の心理的な面のどこかに、結婚したら家を守るもの、お金は夫が稼ぐもの、という専業主婦思想があるのではないでしょうか。

また、それと同時に、結婚=子供を産む、と考える。正直、子供がいなければ、独身のままでいようが、結婚しようが、それは趣味の範疇のような気がします。

出産後に仕事をどうするかという選択肢に迫られることになる

出産するとなると話は違います。唯一の結婚するメリットとして、出産と子育てがあります。

独身のときは誰しもが、結婚とはどういうものか、子育てとはどれくらい大変か? ということが分からないのが普通です。

身近に子育てをしている姉妹などがいて、実際に子育てに協力しているということであれば、多少は分かるかもしれませんが、子供好きでない限り、出産子育ては未知の領域です。

子供が欲しいからと結婚し、当たり前のように出産し、育児をする。出産後、人によりますが、育児は過酷です。

近くに助けになる両親がいる場合は、多少気持ちが楽になりますが、筆者のように母は他界しているなど、近くに助けを求められない場合、どうしても父親である夫が協力するほか仕方ありません。

しかし、男性は、出産して初めて父親になりますが、筆者の経験上、女性と同様に育児を自分も関わるべきことだという当然持つべき感覚が欠如しているものです。出産して子供を育てることは、もちろん一人でもできますが、負担が大きいのです。

しかし、これも考え方1つで、どうにでもなります。育児と言っても、子供に手がかかるのはせいぜい小学校低学年くらいまで。

それ以降は、一人で何でもできるようになりますし、勉強や進路など、様々な問題が出てきて親は頭を悩ませる必要があるかもしれませんが、所詮子供の人生です。自分で切り開いていく様を見守るほかないでしょう。

なぜ結婚したのか考えてみましょう

結婚している人は、考えてみてください。おそらく独身のままでも相当楽しかったはずです。確かに周りが結婚していく状況はあったものの、時間差はあるとはいえ、離婚して、独身に戻る人も増えているのです。結婚は幸せの近道では決してありません。

しかし、人と一緒に暮らすことで学ぶことはあります。忍耐力、妥協力、男女の差、実務力、調整力、節約など。

たとえめちゃくちゃお金持ちと結婚したとしても、不満は必ずあります。幸せそうに見えても、どんな夫婦も、必ず何かしらの無理を強いているでしょうし、何かしら我慢をしています。

それは独身の時には分かりません。外から垣間みることもできないでしょう。

何が言いたいかというと、おそらく独身でいることにコンプレックスを持つというのは、一定期間だけだということ。30代はそのようなコンプレックスを抱いていたとしても仕方ありませんが、おそらくこれから先も、3人に1人の割合で離婚をしていく率が、そう簡単には収まるとは思えません。

結婚は結局はご縁です。

顔や性格ではなく、タイミングや運みたいなあやふやなものが左右するのだと思います。現在の離婚率を考えると、結婚したかどうかなど、今後は履歴書にある転職した会社の1つくらいありふれた存在になるということです。

結婚していないと、結婚が何か特別に感じられるかもしれませんし、焦る気持ちも分からなくはないですが、コンプレックスに思うことはナンセンスだと思います。

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