【Q&A】夫の在宅勤務がストレスです。専業主婦の私が気を遣い続けて疲れました

夫が在宅勤務になってから、家のなかで気が休まる時間がなくなりました。専業主婦の私が我慢するしかないのでしょうか。(40代・神奈川県・Mさん)

結婚してから自分のリズムで回してきた家のなかに、平日の朝から夜まで夫がいる。最初は新鮮だったはずなのに、いつのまにか「早く出かけてくれないかな」と思ってしまう。Mさん、そう感じているのはあなただけではありません。株式会社SheepDogの調査では、リモートワーク中の夫を「うっとうしい」と感じる既婚女性は約34%にのぼると報告されています。声に出しにくいだけで、同じように疲れている妻はたくさんいます。

家にいるだけなのに、なぜこんなに疲れるのでしょうか

夫が同じ空間にいるだけで疲れてしまうのは、気の持ちようの問題ではありません。専業主婦の方の多くが、夫の在宅勤務をきっかけに、無意識のうちに3つの新しい労働を抱え込んでいます。

1つ目は気配の労働です。テレビ会議の声に気を遣って掃除機をかけられない、洗濯機を回せない、宅配便のチャイムにヒヤッとする。一日中「音を立てない自分」を演じ続けているうちに、心がきしみ始めます。

2つ目はお昼ごはんの労働です。これまでは残り物や簡単なもので済ませていたお昼が、夫の分まで考えて作る正式な食事に格上げされます。三食を毎日きちんと作るというのは、想像以上に主婦の時間と頭のリソースを奪います。

3つ目は期待の労働です。家にいるのだから少しは家事を手伝ってくれるだろう、子どもの面倒を見てくれるだろう、という淡い期待が裏切られるたびに、心はすり減っていきます。

「自分が我慢すればいい」という発想を、いったん横に置いてください

多くの方がここで「私が専業主婦なのだから、夫の仕事を支えるのは当然」と考えてしまいます。けれど、夫の在宅勤務は夫の働き方の都合であって、あなたの一日すべてを差し出す理由にはなりません。会社のオフィスを家庭に持ち込んでいるのは夫の側です。あなたは家事と育児を担うもう一人の働き手であり、休憩を取る権利があります。

今日からできる、ストレスを軽くする5つの工夫

1. 夫のワークスペースを物理的に切り分けてもらう

同じリビングで夫が仕事をしていると、視界に入るだけで気が休まりません。寝室の机、ダイニングの一角でもよいので、夫の仕事場所を家のどこか1か所に固定してもらいましょう。「ここにいるときは仕事中」というラインがあるだけで、お互いに別の時間を生きられるようになります。

2. 昼食は「一緒に頑張らない」と決める

毎日きちんとお昼を作るのをやめましょう。冷凍うどん、コンビニのおにぎり、前日の残り物で十分です。夫の昼食は基本的に夫が用意する、というルールに切り替える家庭も増えています。家にいる人がいる人の分まで作るのではなく、自分の分は自分で、が在宅勤務時代のスタンダードになりつつあります。

3. 一人になる時間を毎日確保する

朝のうちに30分だけ近所を散歩する、図書館やカフェに2時間だけ出かける。短くてかまいません。夫の目が届かない場所で深呼吸する時間は、贅沢ではなく必需品です。家にいる時間が長い方ほど、外で一人になる時間の質が一日の余力を決めます。

4. 「察してほしい」をやめて、言葉で頼む

「家にいるんだから気づいてよ」と思っても、夫は仕事のモードに入っているとほとんど気づきません。「13時から15時まで子どもを見ていてほしい」「ゴミ出しはお願い」と、具体的な時間と作業を、感情を入れずに頼むのがコツです。お願いしたうえで断られたなら、それは話し合うべきテーマになります。

5. 自分のための予定を、先にカレンダーに書き込む

夫の予定や家族の予定を入れたあとに自分の時間を考えると、必ず後回しになります。美容院、友人とのランチ、習いごと、通院。自分の予定を先に書き込んでから、家族の予定を組んでいきましょう。これは自分勝手ではなく、長く家庭を支え続けるためのメンテナンスです。

夫の在宅勤務にうっとうしさを感じるのは、あなたが冷たいからでも、わがままだからでもありません。家庭と職場が一つの空間に重なってしまった結果、それまでの暮らしのルールが追いついていないだけです。新しい働き方には、新しい家のルールが必要です。今日から少しずつ、自分の時間を取り戻していきましょう。

それでも限界を感じたときに、考えておきたいこと

工夫を重ねても気持ちのしんどさが続くなら、それは性格の問題ではなく、家庭内の役割設計が古いまま放置されているサインです。夫婦で家計と家事の分担を一度棚卸しする、自分の収入を持つために短時間のパートや在宅ワークを始める、カウンセリングで気持ちを整理するなど、選択肢は思っているより多くあります。

内閣府の調査によれば、コロナ禍以降のテレワーク実施率は3割前後で推移しており、夫の在宅勤務は一過性のものではなく、これからの暮らしの前提として続いていきます。だからこそ、夫が出社する日が来るまで耐えるのではなく、夫が家にいる前提で自分が無理なく回せる暮らし方を、今のうちに作り直しておくことが大切です。

「うっとうしい」と感じてしまう自分を責めないでください。それは、これまで一人で家庭を支えてきた時間がたしかにあったという証拠でもあります。少しずつ、自分の時間を取り戻していきましょう。