専業主婦の老後が不安でたまらない。年金だけでは足りない現実と、今から始める5つの備え

「このまま専業主婦でいて、老後は大丈夫なのだろうか」。家計簿を眺めながら、ふと不安がよぎることはありませんか。夫の収入に頼る毎日は安定しているようで、どこか心もとない。その漠然とした不安には、ちゃんと理由があります。

この記事では、専業主婦が受け取れる年金のリアルな金額と、今からでも間に合う老後資金の備え方をお伝えします。

専業主婦の老後が不安になる「お金の正体」

年金だけでは月5万円台という現実

専業主婦は国民年金の第3号被保険者にあたり、保険料の自己負担なしで加入できます。ただし受け取れるのは老齢基礎年金のみです。2026年度の満額は年84万7,300円、月額に換算すると約6万9,000円。実際の平均受給額はさらに低く、月5万7,700円というデータもあります(厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)。

共働き世帯との差は月10万円

夫婦ともに会社員の共働き世帯では、年金の合計月額は約35.3万円です。一方、会社員の夫と専業主婦の世帯は約25.9万円。その差は毎月約10万円にもなります。年間で約120万円、30年で3,600万円。この差が老後の暮らしの選択肢を大きく左右します。

「ゆとりある老後」には毎月12万円足りない

65歳以上の夫婦無職世帯の平均消費支出は月約26.4万円です。旅行や趣味も含めた「ゆとりある老後」を望むなら月約37.8万円が必要とされています。専業主婦世帯の年金約25.9万円との差は、毎月約11.9万円。20年分で約2,856万円、25年分で約3,570万円の資金が別途必要になる計算です。

不安の正体は「知らないこと」です。数字を知れば、対策の選択肢が見えてきます。

今から始められる5つの老後資金対策

1. 新NISAで「非課税」の力を味方につける

2024年から始まった新NISAは、運用益が非課税になる制度です。年間投資枠は「つみたて投資枠」120万円、「成長投資枠」240万円の合計360万円。少額からコツコツ積み立てられるため、投資経験がない専業主婦にも始めやすい仕組みです。月1万円でも、年利3%で20年運用すれば約328万円になります。

2. iDeCo(個人型確定拠出年金)で節税しながら備える

専業主婦(第3号被保険者)もiDeCoに加入できます。掛金の上限は月2万3,000円(年27万6,000円)です。60歳まで引き出せないデメリットはありますが、「使い込まない強制力」が逆にメリットになる方も多いです。ただし専業主婦の場合は所得控除の恩恵が少ないため、新NISAとの併用で優先順位を考えるのがおすすめです。

3. パートや在宅ワークで「自分の厚生年金」を作る

2024年10月から、従業員51人以上の企業で週20時間以上働くパートも社会保険の加入対象になりました。厚生年金に加入すれば、将来もらえる年金額が上乗せされます。たとえば月収10万円で10年間加入した場合、年金は年間約6.5万円増えます。在宅ワークでも雇用契約で条件を満たせば対象になるケースがあります。

4. 固定費を見直して「貯める体質」に変える

保険料、通信費、サブスクリプション。毎月なんとなく引き落とされている固定費を一度棚卸ししてみてください。固定費を月1万円減らせれば、年間12万円、20年で240万円の効果になります。特に40代は保険の見直し適齢期です。子どもの成長に合わせて死亡保障を減らし、医療保障を整えるだけで数千円浮くこともあります。

5. 「ねんきんネット」で自分の受給見込みを確認する

日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すると、現時点での年金見込額をシミュレーションできます。まずは自分が将来いくらもらえるのかを正確に知ること。それだけで「漠然とした不安」が「具体的な対策」に変わります。マイナンバーカードがあればオンラインで即日登録可能です。

不安を「行動」に変えるために

専業主婦の老後不安は、決してわがままでも心配性でもありません。年金制度の構造上、自分名義の年金が少ないのは事実です。だからこそ、今のうちに小さな一歩を踏み出すことが大切です。

新NISAで月5,000円から積み立てる。ねんきんネットに登録してみる。パートの社会保険加入条件を調べてみる。どれも今日からできることばかりです。

「知る」ことが最初の備えです。この記事が、あなたの老後不安を少しでも軽くするきっかけになれば幸いです。